2024年
第29回入賞作品
プロミスお客様サービスプラザ賞
大事なのは 佐々木 あおい(15歳 高校生)
私は、約束をすることが嫌いだ。というか苦手だ。自分がその約束を守れるか自信がないし、守れなかったら怒られる。だから、約束するのは今まで避けてきた。その分、自分の中では自分のやるべき事に頑張ってきたつもりだ。そんなとき、私はある先生と約束した。初めは嫌々な約束だった。けれど、その約束をしたことで私は大切なことに気付かされた。
中学二年生の夏終わりに放課後先生に呼び出された。先生から「生徒会に入らないか。お前ならいける。」と。聞いたとき、びっくりした。自分は入るつもりも一切なかったからまさか誘われるとは思ってもいなかった。最初は断ったが真剣に考え、こんなチャンス二度とないと思い引き受けた。そのとき、先生は言った。「生徒会は簡単じゃない。最後まで諦めずにどの仕事にも忠実に計画的に常に学校のことを考えて取り組むことを約束できるなら、生徒会に入れ。」と。私は、「約束できます。」と言った。このときの私は軽く考えていたのかもしれない。生徒会に入ってから思った以上に仕事の量も多く、休み時間も全て生徒会の時間に費やし、だんだん嫌になってる自分がいたのだ。嫌になった自分は、仕事を後回しにしてしまい、この日までに提出しなければいけない日を過ぎてしまった。そして先生にものすごく怒られてしまった。そして立て続けに学年集会で生徒会が回したときに自分たちの準備不足で上手く回せずにすごく怒られた。そのあと、先生に「もうしなくていいよ。」とあきれられた。これじゃダメだと思った私は先生に「次からは、こんなことがないようにします。」と約束し、先生に許しをもらった。それからも何度も同じミスを繰り返し、同じように「次からは~」と言い、許しをもらっていた。何度も何度も約束を破っていた。自分は怒られて怒られまくってそんな自分が情けなくて悔しくて何度も何度も泣いた。私は一度最初の先生との約束を思い出し、本気でやってみようと思った。次の全校集会で完ぺきに成功できるように必死になって準備をした。全校集会は大成功だった。先生にも「よくやった。」と言われた。涙が出るほど嬉しかった。私が初めて先生との約束を守った日だった。初めて約束を守って、すごい達成感を味わえて、自信にも繋がった。このとき、私は思った。私は、今まで約束を守ることができないのではなく、本気で守ろうとしていなかっただけだと。約束は口だけで必死に取り組んでいなかった。どこか守らなくてもなんとかなるだろうという考えが自分の頭の中にあり、甘えてしまっていた。約束を守れないことを「苦手だ」とか「できない」と言い訳をし、逃げてきた。今回、逃げずに本気で取り組み、約束を守ることができた。このことに気づけてから私は先生との約束を胸に一生懸命頑張り続け、生徒会の退任を迎えることができた。諦めずに学校のために生徒会の仕事をやり抜くことができた。退任式のあと、先生のところにお礼を言いに行った。「本当にありがとうございました。」と。そしたら、何倍もの嬉しい言葉をもらった。「本当によく頑張った。あなたを誘って本当に良かった。これを武器にこれからも活躍していってね。」と新たに約束した。私は、この約束を必ず守ろうと思った。
約束とは、必ず守らなければならないもの。破ってしまえば、人の信用を少しずつ裏切り、それが重なると一瞬にして失ってしまう。約束は守れないときだってある。守ったか守らなかったではなく、守ろうとしていたか守るためにどう努力したかその過程が必要。これは、約束だけではなく、他にも言えることだと思う。もちろん結果は大事だ。よい結果にするために頑張る。でも人はミスもする。そのミスで人は学び、成長する。そのときに大事なのがどれだけ頑張ったかだと思う。だから私は約束する。「やる前からできないと決めつけず、努力し続ける」と。